ハートに火をつけて


11月も半ばを過ぎ、秋を通り越して、初冬の寒さを感じる季節。

土佐山では柚子の収穫期を迎えて、歩いていると柚子の絞った柑橘系の良い香りが

あちこちから香ってきます。

そして、寒くなってくると、

あまり設備の整っていない、この小さなクレーム・エ・メティエのアトリエでも、

作れるものがぐんと増えてきました。

11月になって始めた、パイとショコラのパーソナルレッスンです。


イルプルーのお友達と、ショコラってさあ、作ってると、

お菓子作っているというより、手芸やってるような感覚になってくるよね、と言う話になり、

手芸?意味不明と思われる方もいらっしゃるでしょうが、

レッスンで、やったことがある方は、これ、わかってもらえる感覚ではないかと思います。

そんなショコラの作業ですが、

今年の夏、パリで連れてってもらったショコラトリーで、運命の出会いをしてしまったんです。

それはまるで、いきなり出会い頭に、頭をゴツン、頬をパチンとたたかれて、

おばさん、ショコラは、おまえなんかが、手をだせるもんじゃないんだよ、

とっとと日本に帰んな!と、

かっこいいパリジャンから、いきなり突き放された気分。


しかも素直に美味しいと思ったわけじゃないんです。かなりの曲者味だった。

ただ美味しいだけだったら、はあ~フランスのチョコレートって、やっぱ美味しいよね、

幸せねーで、まったりと終わって、こんな妙な敗北感はなかったはず。

なんだこれ、たった一粒のボンボンで、

ここまでショコラティエ、自らの個性を貫けるものなのか...という

その才能と自信、その力強さに、恐れ入りました!とひれ伏した瞬間でした。

こんなすごい世界見せられてしまった、もう後戻りできないじゃない!


こうなったら、日本に戻ったら、ボンボンショコラを、もっとたくさん作ってやる。

少しでもこの鉄壁の世界に歩みよるためや!


リベンジ魂に火をつけられた私は、そう心に誓い、

ゴツンと頭突きされた頭のコブと、引っぱたかれてヒリヒリする頬をおさえて、

日本に帰ってきました。


そして、この度、寒くなり、いよいよ満を持してのチョコレートレッスンです。

みほちゃんに、みどりさん、ここんとこ、ずっとショコラショコラ言ってませんか?と言われたのですが、

その通り。

そうですよ、私、先週あたりから、ショコラのことばかり考えています。

チョコレートのパーソナルレッスンにご参加のみなさま、こんな未熟な私ではございますが、

イルプルーのショコラレシピとフランス、ペック社のチョコレートは、

こんな未熟な私をリカバーしてくれて、有り余るくらいの美味しさとなっております。

みなさまに手芸感覚で、楽しんでいただけるように、頑張りますので、よろしくお願いいたします。

あ、もちろん、パイもタルトも焼き菓子もハートに火がついているので、こちらもレッスン今まで以上に、頑張ります!


※写真は昨日パーソナルレッスンに見えられた方が作ってくださったショコラです。

とことんやった感があった二日間でしたね。お疲れさまでした!

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