きのう何食べた?

もうちょっと大きいクレープパンが欲しいなと思って、あれこれ探していたら、

突如、2月2日はフランスではシャンドルールというクレープのお祭り!というのを見てしまい、ものすごく動揺しました。

お祭りの内容が、クレープを食べて、そして投げる???と書かれていたのです。

2月2日にフランス人が、

クレープを爆食したり、クレープ投げに興じている場面を見たことがないし、

想像が全くつかなくて。

私、30年以上フランスに通っているわけです。

住んでた時期もあったのに…

しかも、私、仮にもフランス菓子を人様に教えている身で、

ちょっと勉強不足過ぎない?と、焦り、調べていたら、

家庭でやる行事っぽく、しかも現在そんなにみんながやってる感じもしなくて...

さらに調べていくと、丸いクレープを太陽に見立て、もうすぐ訪れる春を待ち、冬を投げ捨てる!みたいな趣旨のお祭り、ということがわかりました。

うちうちでやられるとわからんよね。


でもクレープって、そもそも家で簡単にできるのが魅力ですから。

この前「きのう何食べた?」という、内野聖陽さんと西島秀俊さんのドラマで、

クレープを休日に焼いて、好きな具材をクレープに巻いて食べる、という

とても楽しそうなランチのシーンが描かれていました。


それを見て思い出すのは東京の家族のこと。

我が家の夕飯で、今夜はクレープ、と言うときは、まずそば粉のガレットを焼きます。

残念ながら具材を好きに選ぶことはできません。

母である私が、焼けたそばから具材を勝手にはさみ、ガレットをどんどん皿にのせて、

年功序列で配っていきます。


定番で、ほうれん草のクリーム煮が巻いてあるガレットが1枚と

もう1枚は卵とチーズとベーコンもしくはハムの、スタンダードなガレット。

3枚目からは、小麦粉の甘いクレープを焼き、

オレンジがあったら、オレンジキュラソーをたっぷり染み込ませたクレープ・シュゼットにしたり

さくらんぼのコンフィチュールと生クリームのフォレノワール風、

リンゴのピュレを使ったタタン風、

マロンクリームがあったら、迷わずモンブラン風クレープ、

アングレーズソースとメレンゲでイルフロッタント風のクレープなど、

ちょっと盛った感じのクレープをデザートに。


3時のおやつにクレープとなると、もうちょっとシンプルに、

溶かしバターとお砂糖をかけただけのクレープ・ブール・シュクル、

それにレモンを絞っただけのクレープ・オ・シトロン、

クレープに蜂蜜をかけただけのクレープ・オ・ミエル、

塩キャラメルのソースを作って、クレープ・オ・キャラメル・ブールサレ、

など、腹ペコ対応で、すぐに作れるものを用意することが多かったなあ。


この万能感。クレープの生地さえ用意しておけば、あとは工夫次第です。

忙しくてデザートにまで手がまわらなくても、

クレープ生地とキャラメルソースやチョコレートソース、そしてバニラアイスさえ用意しておけば、

あとは食事のあと、生地を焼くだけで、温かい素敵なデザートになります。

クリスマスやお正月にだって、ゴージャスではないかもしれませんが、

美味しいクレープで、きっとみんな特別な時間が過ごせるはず。


春は、サクランボのコンフィチュールやイチゴを使って、春の訪れを喜び、

夏には、オレンジやレモンの果汁やフランボワーズのコンフィチュールを使って、

さわやかな夏の味を楽しみ、

秋は、リンゴのコンポート、洋梨、マロンクリームを使って秋の実りを楽しみ...と、

季節によっていろいろなクレープが楽しめます。

来月12月は1年で一番、街が輝く季節。

クリスマスだって、ケーキももちろん食べたいけれど、クレープを焼いて、お皿をデコレーションするのも、ステキな時間になりそうですよね。


クレープ、家でよく作って食べますよ、と言うと、みなさん、おしゃれ!とほめてくださるけれど、

違うんです。タコパ、たこ焼きパーティーと一緒なんです。

私がクレープが好きなのは、タルトやパイ、ケーキとは違った手軽さ、そしてみんなが満足できるクオリティーに仕上げられるという点です。


2019年、私が年内でクレープ講習をさせていただく機会は残り数回。

作って見て食べて。ご参加いただけるみなさまが、

クレープを楽しんでくださいますように。

覚えることなんて、ほんのちょっとなので、とにかく楽しんで、また食べたいと思う気持ちを持っていただけるように、できればなあ、、、と思う次第です。

また食べたいと思ったら、すぐに作れるんだから。

張り切って、出張講習に出かけていきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

école crème et métier

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