2019年4月パティスリーレッスン備忘録 2
4月第2週めから、いよいよ生菓子を作り始めました。
ビスキュイ・キュイエールという名の生地を作り、その生地を、
あるときは丸く、あるときは四角く、絞り袋に入れて絞り、
オーブンでしっかりめに焼いて、それに、ババロワやムースを作って
組み立て、アントルメ(大型のホールケーキ)に仕立てます。
この2週め、クレーム・エ・メティエで、みんなの口から発せられ、
私が一番よく聞いた単語は、
たぶん、それは、「ムラング・イタリエンヌ」という言葉。
イタリアン・メレンゲと言ったほうが、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれません。
略して「イタメレ」です。こうしてあらためて書いてみると、なんか、変な命令形みたい。
この変な命令形みたいな響きのイタメレに、みんな苦しめられました。
いや、苦しんだというより、おびえてた・・・という感じかな。
熱々のシロップを作って、泡立てた卵白の中に、熱々のままシロップをいれるのですが、
これ、結構こわいんですよね。
熱いし、火傷の心配もあるし、そして、うちは、わりと個人プレーが多いんですが、
これは慣れるまでふたり一組で作業を行うので、自分のミスでイタメレが失敗したら、
相手に申し訳ない!みたいな、プレッシャーもあるのかも。
そんなこんなで、みんなビクビクしながら、イタメレに挑戦し続けました。
だけど、そんなこわいイタメレがはいっている、ババロワやムースは、本当に軽くて美味しいんです。
特に、ビスキュイの帽子をかぶった、シャルロット・ポワールは、
私が学んだ学校、イルプルー・シュル・ラ・セーヌの真骨頂とも言えるアントルメで、
ビスキュイのざっくり感、そして、そのビスキュイにたっぷりと染み込ませた洋ナシのブランデーが、キリっととした味を引き出します。
そして、がっしりとしたビスキュイに守られて、ゼラチンをぎりぎりまでへらし、イタメレを使ったやわらかい味の洋ナシのババロワの絶妙なバランス。
私の文章力では、ちゃんとみなさまに、シャルロット・ポワールのおいしさをお伝えできないのが残念です。
「クレーム・エ・メティエのシャルロット・ポワール、美味しかった」とほめていただけると、大人舌の方が来てくださったんだな、と、思って、うれしくなります。
毎年、このエコール・クレーム・エ・メティエの3ヵ月プログラムも、
作るメニューをあれこれ考えて、少しずつ変えたりもしているのですが、
このシャルロット・ポワールだけは、レッスンがある限り、
毎年メニューに入っていると思います。
シャルロットポワールを作り続けて、毎年、新米さんたちは、
このイタメレにおびえ続けることになる。。。のかな?
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